食道がんの診療に携わる医師(名前をクリックするとプロフィールが見れます)


当科の食道がん治療の特徴
  • 早期食道がんから転移を有する進行した食道がんまでの治療を行っております。
  • 早期食道がんの患者さんには可能な限り内視鏡による切除(EMRやESD)を行い、臓器の温存に努めています(早期がんに対する内視鏡治療(リンク)へ) 
  • 胸腔鏡、縦隔鏡、腹腔鏡手術を積極的に施行しており、出血や合併症が少ない、患者さんにとって「負担の少ない治療」を目指しています。 
  • 術前から糖尿病や心臓疾患などを有する患者さんでも、その領域の専門医との連携により安全に手術が可能です。
  • 他臓器への転移や浸潤を有する進行した食道がんの患者さんにも、抗がん剤や放射線治療などの方法を用いて「諦めない治療」を心がけます。
  • 進行食道がんのために、食事摂取が困難な患者さんにはバイパス手術やステント療法を用いて食事摂取を可能にする方法を提示いたします。
  • 治療方針の決定に関しては患者さんとよく相談して患者さんにとって最善の治療を選択してゆきます。 

食道がんに対する内視鏡治療(EMR/ESD)
  • 胃内視鏡(カメラ)を用いて、食道を切除せず「病変のみを削り取る」方法で最も体に対する負担が少ない治療です。主に早期食道がんに対して施行されます。 
  • 比較的大きな病変でも、食道の壁の深くに根を張っていなければ内視鏡的切除が可能です。外来担当医とご相談ください。 
  • 詳細は「早期がんに対する内視鏡治療」へのリンクを参照下さい。

食道がんに対する手術治療(胸腔鏡・縦隔鏡・ロボット手術)
  • 当科では食道がんに対して積極的に胸腔鏡縦隔鏡腹腔鏡手術を行っており、年間25例以上、ほぼ100%の患者さんに小さな傷での鏡視下手術を行っております。
  • 胸腔鏡・腹腔鏡手術の利点は、傷が小さいこともありますが、手術する部分を拡大して観察するので、出血の少なく繊細な手術が可能な点も大きな利点です(図1,2)
  • 胸腔鏡・腹腔鏡手術は技術的には難しい手術とされていますが、当科では胸腔鏡・腹腔鏡手術の経験の豊富な医師(食道外科専門医、内視鏡外科学会技術認定医など)が手術を担当しています。 
  • 肺機能が悪く開胸手術や胸腔鏡手術が困難な患者さんには、より侵襲の少ない縦隔鏡を用いた方法で頸部と腹部だけの傷で手術を行っています。
  • ロボット手術に関しても当院には最新型のda Vinci Xiシステムがあります。希望される方は外来で相談してみてください(図3)。 






食道がんの胸腔鏡・腹腔鏡下手術/食道癌の縦隔鏡手術
  • 食道がんの手術は頸部、胸部、腹部の3領域にわたる手術操作が必要で、体への負担が大きい手術の一つです。なるべくその負担を軽減するために、胸腔鏡と腹腔鏡を用いた手術を行っています。
  • 食道がんの特徴として、声帯の運動を支配する左右の反回神経周囲にリンパ節転移が多いです。
  • この領域のリンパ節郭清をいかに安全に過不足なく行うかが、治療経過を左右します。胸の操作は腹臥位(うつ伏せ)で胸腔鏡を用いて行います。非常に良好な視野で手術が可能です(図4)(video1)。
  • 食道を切除した後は、胃を細い形状として頸までつり上げ食物の通過経路を作成します。お腹の操作は仰臥位に体位を変えて腹腔鏡を用いて行います(図5)
  • 以前の手術既往などで胃が使えない場合には、小腸や大腸を用いて食物の通過経路を作成します。
  • 現在、私たちは上部消化管外科チームとして食道がんだけではなく胃がん手術も同じチームで行っているため、胸の操作だけではなく、お腹の中でのリンパ節郭清操作にも熟練した医師が手術を行います。
  • また、肺機能が非常に悪く、開胸手術や胸腔鏡での手術も困難な場合には、縦隔鏡腹腔鏡を併用し、胸の手術操作をせずに食道を切除する方法を行っています。より負担が少なく手術が可能です。患者さんに一番適した方法を選択しています。

図4 食道がんの反回神経周囲リンパ節郭清

細い神経を温存しながら転移頻度の高いリンパ節を切除してゆきます(動画)



進行食道がんに対する集学的治療
  • 例えば肝臓や肺に転移をしたり、隣の臓器へ食い込んだような「進行した食道がん」の患者さんは手術のみでは十分な治療が得られない場合もあります。 
  • そのような場合には、手術以外の治療(抗がん剤治療放射線治療ステント療法)(図6)を行うことになります。 
  • 抗がん剤や放射線治療で効果が認められれば、手術を行えるようになることもあります。
  • 高齢の方でも、手術や抗がん剤、放射線治療の組み合わせにより症状の緩和や食事摂取が可能になることがあります。患者さんの体力に合わせて最善の治療法を提供させていただきます(図7)。