胃がんの診療に携わる医師(名前をクリックするとプロフィールが見れます)


当科における胃がん診療の特徴
  • 早期の胃がんから転移を有する進行した胃がんまでの治療を行っております。 
  • 早期胃がんの患者さんには可能な限り内視鏡による切除(EMRやESD)を行い、臓器の温存に努めています(早期がんに対する内視鏡治療(リンク)へ) 。
  • 腹腔鏡手術を積極的に施行しており、出血や合併症が少ない、患者さんにとって「負担の少ない治療」を目指しています。 
  • 術前から糖尿病や心臓疾患などを有する患者さんでも、その領域の専門医との連携により安全に手術が可能です。
  • 他臓器への転移や浸潤を有する進行した胃がんの患者さんにも、抗がん剤や放射線治療などの方法を用いて「諦めない治療」を心がけます。
  • 進行胃がんのために、食事摂取が困難な患者さんには腹腔鏡下バイパス手術やステント療法を用いて食事摂取を可能にする方法を提示いたします。
  • 治療方針の決定に関しては患者さんとよく相談して患者さんにとって最善の治療を選択してゆきます。 
胃がんに対する内視鏡治療
  • 胃内視鏡(カメラ)を用いて、胃を切除せず「病変のみを削り取る」方法で最も体に対する負担が少ない治療です。主に早期胃がんに対して施行されます。
  • 比較的大きな病変でも、胃壁の深くに根を張っていなければ内視鏡的切除が可能です。外来担当医とご相談ください。
  • 詳細は内視鏡治療のページを御覧ください。

胃がんに対する手術治療(腹腔鏡・ロボット手術)
  • 当科では胃がんに対して積極的に腹腔鏡手術を行っており、年間80例以上、ほぼ100%の患者さんに腹腔鏡手術を行っております。 
  • 腹腔鏡手術の利点は、傷が小さいこともありますが、手術する部分を拡大して観察するので、出血の少なく繊細な手術が可能な点も大きな利点です(図8-10)(video2)。 
  • 腹腔鏡手術は技術的には難しい手術とされていますが、当科では腹腔鏡手術の経験の豊富な医師が手術を担当しています。 
  • 脾臓摘出を伴う胃全摘術、一度胃を切除した後の胃にできるがん(残胃がん)手術などにも腹腔鏡手術が可能です。希望される方は外来で相談してみてください(図11)。 
  • ロボット手術に関しても当院には最新型のda Vinci Xシステムがあります。希望される方は外来で相談してみてください(図12)。 



video2 胃がんの腹腔鏡手術

内視鏡による出血の少ない、繊細な手術が可能です。





胃は脾臓に近いため脾臓周囲のリンパ節への転移を来すことがあります。

左のビデオのように、患者さんの病状によっては脾臓を温存しつつ、リンパ節を摘出する手術も行っております(すだれ状郭清)



食道胃接合部がん・胃上部がんに対する治療

 

  • 現在、食道胃接合部がん(食道と胃の境界部近傍のがん)、胃上部がんの頻度が増えてきていますが、以下のような理由からその治療は他の部位に比べて難しいとされています。(図13)。
    1. 食道の周囲には心臓、肺、大動脈などの重要な臓器が存在しており、食道周囲のリンパ節郭清では細心の注意を要する(図14)。
    2. 胃の上部を切除する(噴門側胃切除)だけでなく、食道の一部を切除する必要があるため、切除後の再建(食物の通過経路を作成する操作)に技術を要する。
    3. 胃の上部を切除する手術法(噴門側胃切除術)が選択されることが多いが、術後の逆流性食道炎が大きな問題となっている。
  • 現在、私たちは上部消化管外科チームとして胃がんだけではなく食道がん手術も同じチームで行っているため、食道周囲のリンパ節郭清や胸の中での再建操作にも熟練した医師が手術を行います。
  • また、噴門側胃切除後の再建方法として、術後の逆流性食道炎予防のために観音開き法ダブルトラクト法など患者さんに一番適した方法を選択しています。ほとんどの患者さんに腹腔鏡下手術、再建が可能です(図15、video3)。


video3 噴門側胃切除後の透視の写真

胃から食道への逆流を防止する"噴門"が切除されていますが、再建の方法を工夫することにより逆流しないようにすることが可能になりました。患者さんの生活の質の向上につながっています。


進行胃がんに対する集学的治療
  • 例えば肝臓や肺に転移をしたり、隣の臓器へ食い込んだような「進行した胃がん」の患者さんは手術のみでは十分な治療が得られない場合もあります。 
  • そのような場合には、手術以外の治療(抗がん剤治療や放射線治療、ステント療法)(図16)を行うことになります。 
  • 抗がん剤は「胃癌治療ガイドライン」に準じた治療を行ってまいります。
  • 近年は副作用も比較的少なく効果も高い抗がん剤が次々に開発されてきており、うまくこれらの治療と手術とを組み合わせてゆくことが重要になります。 
  • 高齢の方でも、手術や抗がん剤の組み合わせにより症状の緩和や食事摂取が可能になることがあります。患者さんの体力に合わせて最善の治療法を提供させていただきます(図17)。
  • 患者さんとともに、諦めない治療を目指してゆきたいと思っております。