肝臓がんの診療に携わる医師(名前をクリックするとプロフィールが見れます)


肝臓がんとは
  • 肝臓にできる"がん"には以下の様に幾つかのパターンがあります。
    1. B型、C型肝炎などのウイルス性肝炎を背景に発生するもの
    2. NASH (非アルコール性脂肪肝炎)を背景に発生するもの
    3. 他の臓器の"がん"から転移をきたしたもの(転移性肝がん)

従来は1が多かったのですが、近年はウイルス性肝炎の治療が進歩してしており、2、3が増えてきています。


当科における肝臓がん治療の特徴
  • 肝臓がんの治療には多くの方法(肝切除、ラジオ波による焼灼術、肝動脈塞栓術、全身化学療法、肝移植など)があります。
  • 肝臓の傷み具合(ウイルスなどによる)や肝臓がんの大きさ、場所、個数などにより治療方法を選択します。当院でも肝臓内科放射線科とチームを組み、患者さんにとって最適な治療を相談させて頂きます。
  • 肝炎ウイルスやNASHにより発生した肝細胞がんでは治療を完遂されても、一旦傷ついた肝臓はもとに戻らず、残った肝臓もがんができやすい「畑」のような状態になっています。そのため、残念ながら一定の確率で残った肝臓に再発する事が知られており治療後の経過観察も必要となります。
  • 当科では、肝切除に於いて出血量の少ない、繊細な手術を心がけています。また蛍光色素を用いたナビゲーション手術などの工夫をしてより良い手術をできるように努めております。

 

近年インドシアニングリーン(ICG)の蛍光特性利用して、肝臓の切除範囲をイメージングすることが可能になりました。

さらに術前投与された ICG が肝癌およびその周囲の組織に集積する現象を利用して肝がんの位置を詳細に同定し、過不足なく切除することも可能になりました。



転移性肝がんの治療

  • 転移性肝がん大腸がんの転移が最も多いです。肝臓の中に多発することも多く発見時には切除困難なことがありますが、抗がん剤治療などと組み合わせた治療により、癌が縮小し手術を行えることで、予後の延長が期待することができます(Conversion Therapy)
  • 当科では大腸がんの治療に携わるグループと綿密に協議をしながら、患者さんに取って最適の治療を提供致します。
  • 転移性肝癌では発見されたときに多発となっていることも少なくありません。
  • 3Dシミュレーションや抗がん剤治療をなどを行い、十分な肝臓が温存できるようであれば、手術にて摘出するように取り組んでいます。

 



  • 根治切除不能もしくは切除困難であった転移巣全身化学療法の奏効により根治切除術へ移行できることがあります。 conversion therapy
  • 当科では、時期を逸しないように各チームと連携を取り、治療に取り組んでいます。



腹腔鏡下肝切除

  • 肝臓は、右上腹部にある臓器で肋骨に囲まれています。そのことにより従来では小さな肝臓がんを切除する場合でも、十分な視野を得る目的で大きな皮膚の切開(約40-50cm)が必要になります。これに対し、腹腔鏡による肝切除術は傷を小さくすることができ、術後の痛みの軽減や早期回復につながります.
  • 2010年に肝部分切除と肝外側区域切除が保険収載され、2016年には拡大肝切除に保険適応が拡大され、一般診療として急速に普及しつつあります。しかし、安全性や技術的な問題もあり、腹腔鏡下手術が可能か厳重に検討する方針としています。

腹腔鏡手術の利点

・体の傷が小さく、術後の痛みが少ないため早期の社会復帰が可能。

・出血量が少なく、手術によるダメージが少ない。

 

腹腔鏡手術の欠点

・手術時間は比較的長く、高い技術を要することが多いです。

・過去に手術を受けた方や、複雑な肝切除術には不向きなことがあります。

 

患者さんによっては腹腔鏡手術が適していないことがあります。当科では、決して無理のない治療を心がけており、患者さんの安全、安心のために開腹手術がより適切と判断することもあります。またご相談下さい。


当科における腹腔鏡(補助)下肝切除術の特徴

  • 術前に厳密な肝機能のチェックを行います。
  • CTを用いた3D画像構築を行い、手術に必要な腫瘍と肝臓内の血管の関係性を確認し、綿密に手術のシュミレーションを行います。
  • 安全のために各患者様に合わせた手術方法の選択をご提案させていただきます。

 

腹腔鏡手術では事前にどのように手術を進めていくのか、患者さんの病態などに応じた治療計画を立てることがとても重要になります。私たちは、立体画像を駆使して綿密に切除計画を組み立てて安全・確実な治療を心がけています(3次元シミュレーション肝切除