大腸がんの診療に携わる医師(名前をクリックするとプロフィールが見れます)


福大病院消化器外科における大腸がん治療の特徴
  • 早期大腸がんから転移を有する進行した大腸がんまでの治療を行っております
  • 早期大腸がんの患者さんには可能な限り内視鏡による切除(EMRやESD)を行い、臓器の温存に努めています(早期がんに対する内視鏡治療(リンク)へ)
  • 腹腔鏡手術を積極的に施行しており、出血や合併症が少ない患者さんにとって「負担の少ない治療」を目指しています
  • 直腸がんに関しても、経肛門内視鏡治療(taTME)やロボット手術などの最新の治療技術と抗がん剤や放射線治療などと手術の組み合わせでできるだけ肛門を温存する治療を行っています
  • 放射線と化学療法治療により直腸がんが消失した患者さんには手術を行わずに経過をみる場合もあります(Watch and wait:詳細は下記参照)担当医と相談下さい
  • 他臓器への転移や浸潤を有する進行した大腸がんの患者さんにも、抗がん剤や放射線治療、また免疫治療などの方法を用いて「諦めない治療」を心がけます
  • 治療方針の決定に関しては患者さんとよく相談して患者さんにとって満足いただける治療を考えてまいります。

大腸がんに対する内視鏡治療(EMR/ESD)
  • 大腸内視鏡(カメラ)を用いて、腸を切除せず「病変のみを削り取る」方法で最も体に対する負担が少ない治療です。主に早期大腸がんに対して施行されます。
  • 比較的大きな病変でも、腸管の壁の深くに根を張っていなければ内視鏡的切除が可能です。外来担当医とご相談ください。
  • 詳細は「早期がんに対する内視鏡治療」へのリンクを参照下さい。

大腸がんに対する手術治療(腹腔鏡・経肛門腹腔鏡手術・ロボット手術)
  • 当科では大腸がんに対して積極的に腹腔鏡手術を行っており、年150例以上、9割以上の患者さんに腹腔鏡手術を行っております。
  • 腹腔鏡手術の利点は、傷が小さいこともありますが、手術する部分を拡大して観察するので、出血の少なく繊細な手術が可能な点も大きな利点です。
  • 腹腔鏡手術は技術的には難しい手術とされていますが、当科では腹腔鏡手術の経験の豊富な医師が手術を担当しています。
  • ロボット手術は最近保険適応になった治療です。当院には最新型のda Vinci Xiシステムがあります。希望される方は外来で相談してみてください。

腹腔鏡手術の実際の画像です。

ロボット手術は腹腔鏡を更に進化させたものです。福岡大学にも最新型の機器があります。外来で医師にご相談下さい。



直腸がんに対する治療

直腸がんの治療はその他の部位に比べて難しいとされています。それは、

  • 狭く深い骨盤内での手術が必要で、がんの取り残し(局所再発)が起こりやすい
  • 手術部位の近くに膀胱や生殖器への自律神経が走行しておりこれらの神経を損傷すると排尿障害や性機能障害などが起こる
  • 肛門を温存できるかどうかの問題がある

 



このような問題から直腸がんに対する腹腔鏡手術は難しいとされており、治療ガイドラインでも慎重に行うようにと記載されています。

私たちは直腸がんに対する腹腔鏡手術に力を入れており、経肛門内視鏡手術(taTME)や内括約筋切除術(ISR)などの手術を行っております。

肛門の温存に関しても積極的に行っており、進行した直腸がんについても以下に記すような抗がん剤や放射線治療をなどの治療を術前に施行して病変を小さくして手術を行うことにより、可能な限り肛門を温存できるように心がけています。

肛門をギリギリで温存する術式です。比較的難しい手術ですが、私達は可能な限り温存に努めております。

直腸がん手術における腹腔鏡手術の利点(クリックで動画再生します)



直腸がんの放射線・抗がん剤治療後のWatch and wait(究極の直腸温存治療)
  • 直腸がんに対して放射線や化学療法を行った患者さんのうち、一部の患者さんでよく治療が効いて腫瘍が検査で検出できなくなることがあります(医学的にはcCR:臨床的完全奏功といいます)
  • 今までは検査で見えなくなったとしても、がん細胞のレベルで腫瘍が残っている可能性が高いため、手術で切除を行っておりました
  • 最近欧米を中心にそのような患者さんを手術せずに経過観察して、再発をせずに様子を見れる場合があることがわかってきており、その場合直腸をそのまま残すことが可能です(watch and wait policyといいます)
  • ただし、放射線治療を受けた患者さんすべてが腫瘍が完全に消える(cCR)になるわけでなく、消えているように見えても経過観察中に再燃することもあるので注意が必要です
  • 我々の施設でもこのような治療方針を取ることは可能ですが、まだ最先端の診療方法でデータが少ないこともありますので、詳細に関しては担当医に相談ください。

進行大腸がんに対する集学的治療
  • 例えば肝臓や肺に転移をしたり、隣の臓器へ食い込んだような「進行した大腸がん」の患者さんは手術のみでは十分な治療が得られない場合もあります。
  • そのような場合には、手術以外の治療(抗がん剤治療や放射線治療)を行うことになります。
  • 近年は副作用も比較的少なく効果も高い抗がん剤が次々に開発されてきており、うまくこれらの治療と手術とを組み合わせてゆくことが重要になります。
  • 抗がん剤治療においては副作用などの管理が重要です。私たちは抗がん剤専門の薬剤師などと協力してできるだけ副作用を軽減しながら抗がん剤の効果を最大にできるように勤めています。
  • 近年は薬剤の進歩も著しいものがあります。患者さんとともに「諦めない治療」を目指していきたいと考えています。

大腸がんに対する免疫治療
  • 近年、がん治療において免疫治療の役割がクローズアップされてきておりますが、私達も進行したがん患者さんに対して積極的に施行しています。
  • 免疫治療とはことでがんを抑制しようとする治療法で、
  • 我々の行っている免疫細胞治療(αβT細胞療法)は、体内の免疫のバランスを整えつつがんを攻撃することができるアルファ・ベータT細胞というリンパ球を自分の血液から分離して、体外で活性化・増殖させ、再び体内に戻す治療で、副作用の発現が少なく安全な治療法だと考えられています。
  • 通常、抗がん剤との併用で免疫治療を行います。免疫治療は国内で豊富な免疫細胞治療の培養・治療実績を有する瀬田クリニック福岡(リンクあり)にて行っており、私たちは、臨床研究を通じて本治療の有効性を報告してまいりました。
  • 免疫治療は現在、保険診療とはなっておりません。本治療に関しては担当医にご相談下さい。